1: 2011-11-04 (金) 16:46:22 admin ソース 2: 2011-11-04 (金) 19:17:21 admin ソース
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-*特別寄稿「山名氏の系譜と事歴」 [#nbd6bc7d]+CENTER:&font(160%){特別寄稿「山名氏の系譜と事歴」};
RIGHT:鳥取県史専門委員 &font(140%){日置粂左衛門}; RIGHT:鳥取県史専門委員 &font(140%){日置粂左衛門};
- +*山名氏は清和源氏の出である。 [#a3af85ae] 
-山名氏は清和源氏の出である。源義家の子義国は、下野国足利庄(現在の栃木県足利郡の全部と安蘇郡の一部を含む)に住んだ。義国の子義重は上野国新田庄(現在の群馬県新田郡)を譲られて新田太郎と言い、新田氏の祖。次子義康は足利庄を譲られて、足利三郎を称して足利の祖となった。 +山名氏は清和源氏の出である。 
-義重の三男義兼は本宗をついで新田氏を名乗ったが、長男義範は上野国名胡郡山名郷に住んで山名氏の祖となった。山名氏の本拠の山名郷は『和名抄』に「山字(山宗)」と記し、多胡郡に属しているが、いつしか緑野郡の所管となり、「但馬村岡山名家譜」に次のように記す。+源義家の子義国は、下野国足利庄(現在の栃木県足利郡の全部と安蘇郡の一部を含む)に住んだ。義国の子義重は上野国新田庄(現在の群馬県新田郡)を譲られて新田太郎と言い、新田氏の祖。次子義康は足利庄を譲られて、足利三郎を称して足利の祖となった。 
 +義重の三男義兼は本宗をついで新田氏を名乗ったが、長男義範は上野国名胡郡山名郷に住んで山名氏の祖となった。 
 +山名氏の本拠の山名郷は『和名抄』に「山字(山宗)」と記し、多胡郡に属しているが、いつしか緑野郡の所管となり、「但馬村岡山名家譜」に次のように記す。
 父義重より上野国緑埜郡山名の庄を以って義範に譲り与へられる。是によりて新田の家名を改めて、山名を以って家号とし、山名の冠者と称せられる。  父義重より上野国緑埜郡山名の庄を以って義範に譲り与へられる。是によりて新田の家名を改めて、山名を以って家号とし、山名の冠者と称せられる。
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 +*義範は、 [#m3a72535]
 +義範は、山名冠者、あるいは山名三郎を称して、源義経に従い、一ノ谷合戦において軍功をたてた。その後、伊豆守を称して終始頼朝に近侍したが、承久元年(1219)二月に死去したと言う(「家譜」)。
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 +*重国の子重村以降は、 [#j157af1f]
 +重国の子重村以降は、ほとんど歴史の表面にあらわれることなく、したがってその行動もまったく不明に属するが、その四代時氏に至って、頭角をあらわすにいたるのである。『難太平記』に時氏の言葉として次のように見える。
 + 我は建武よりハ、当御代の御かげにて人となりぬれバ、元弘より以往ハ、ただ民百姓のごとくにて、上野の山名といふ所より出侍しかば、渡世のかなしさも、身の程も知にき。
 +時氏以前の山名氏は、上野国山名という所に住んで、生活の苦しさも十分に経験してきたといっている。鎌倉時代の山名氏を知る一史料といえよう。
 +
 +*「山名家譜」によれば、 [#he9728fa]
 +「山名家譜」によれば、元弘三年(1333)春、足利尊氏は北条高時の命によって京都へ進発、山名時氏は尊氏に従って功をたて、山名家を興すこととなった。建武四年(1337)三月当時、伯耆守護は石橋和義であったが、その後、まもなく山名時氏に代わった。
 +高師直は建武四年七月二十三日付で、醍醐寺蓮蔵院領伯耆国国延保における甲乙人の濫妨(らんぼう)を止め、それを醍醐寺雑掌に交付するよう命していいる(「三宝院文書」)。この御教書の受取人たる山名時氏は、伯耆国守護といえる。
 +かくして、建武四年の前半に、鎌倉時代を通じて上野国の豪族として、ながくその地を本拠としていた山名氏は、南北朝の動乱を機に伯耆国に進出、やかて守護大名として新しく発展することとなった。
 +*その後 [#pa0fa593]
 +その後、観応擾乱を経て、山名時氏とその一族は、山陰・山陽・畿内に勢力をのばし、明徳二年(1391)までに一族で伯耆・出雲・丹後・丹波・美作・若狭・備後・隠岐・因幡・和泉・紀州十一ケ国の守護職を歴任した。
 +幕府にあっては侍所所司、山城守護、内談衆頭人などを壱兼任、六分一殿と呼ばれた、しかし、明徳の乱によひて山名氏の領国は但馬・伯耆・因幡の三国に激減、のち嘉吉の乱の戦功によって山名氏の惣領山名持豊は、備後・安芸・石見・伊賀・備前・美作・播磨の守護職を獲得した。
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